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商品説明 「漆黒の数学バイブル」と銘打った本シリーズは,1990年代に発刊されていたプリパス「知恵の館文庫・体系数学シリーズ」のグレードアップ版である。ある特定の分野で権威ある書物はバイブル(聖書)と呼ばれるが,本シリーズは,中等教育から大学受験にかけての数学を学ぶ皆さんにとってのバイブルと呼ぶにふさわしい内容と品格を備えている。本書の表紙デザインには,上記のような誇りが,込められている。 「漆黒(しっこく)」とは辞書的には「黒うるしを塗ったように黒くてつやがあること」あるいは「深く混じり気のない黒」をいうとされる。「数学の実力をつけるには,どうしたらよいのですか」とは何度も交わされる質問(Frequently Asked Questions)である。私は「問題の解き方を覚えるような勉強は,直ちにやめなさい」と答えることにしている。数学では,大事なことほど覚えてはいけないのだ。覚えるのではなく,理解しなければならない。そのためには,どのような行動をとればよいのか。すぐに答えを見ない。1問につき一定時間を決めて,必ず考えるようにする。そのように日々を過ごせば,「漆黒の闇」のような夜中に,コツコツと孤独に,鉛筆を走らせることになる。 数学が好きな人にとっては,漆黒の闇の中で思索を巡らすこともまた楽しい。が,そうでない人にとっては桎梏(しっこく)に囚われるようにしんどいことかもしれない。でも,それを越えなければ,自分の限界線を持ち上げることができない。修行僧の世界だ。 数学は,遺伝や才能が左右するものだと信じている人たちがいる。そう考えることは,都合がよいのだろう。しかし,ある研究結果は,数学の学力を形成するのは遺伝ではなく努力だということを示唆している。双子の成績をデータ分析すると,他の科目と比較して,数学の成績が最も相関が低いというのだ。やはり,数学の学力は,漆黒の闇の中で形成される。他人が見ていないところでなす努力が,他人に観測可能な実力を作っているのだ。だから,がんばろう,という人を応援するために,本書がある。 「理論講義編」は,数理哲人講師が担当しており,主として書籍A5版中の" Principle"部分(定義・定理・公式等)を理論的に組み立てて説明をする講義を進めています。問題演習については,理論中心の講義の組み立てに必要な問題だけをセレクトして取り上げています。理論を理解することに重点を置いた講義であるとお考えください。 <内容> 第1章 行列の積 第2章 ケーリー・ハミルトンの定理 第3章 行列のn 乗 ⑴ 第4章 行列のn 乗 ⑵ 第5章 三次正方行列 第6章 線形変換 第7章 直線の像 第8章 回転と対称移動 第9章 条件の伝達 第10章 固有値問題
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